「ダイバーシティって喰えるのか?」 HIROMI・RETRIEVER 570×750×22mm 2022 個人蔵
ホームページ開設以来、約半年に渡ってフロントページを彩ってくれたヒロミ・レトリィバーの初期の代表的作品。制作時期はコロナ禍真っ只中で、酒好き人好きのヒロミには随分と窮屈でしんどい時代だったであろうと思う。作品の中にも出口の見えない鬱々としたエナジーと夜な夜な繰り広げられる華やかな社交への思慕がひしひしと感じられる。
ある作品展に出品した際は、次のキャプションをさりげなくつけた。
“ダイバーシティて何なんだ?それって喰えるのか?かくかくしかじかふむふむ。なんだ、それって当たり前だろ?俺なんか昔っからだぜ、人としてな。”
ヒロミの持つ底抜けにオープンな明るさ、ヒトを煙に巻くような、それでいて決して誰かを傷つけない天然の毒性は、まさしくキレイ事では済まされないダイバーシティを象徴する存在なのだ。
はじめは中央のカラーワークに白い枠のみだったが、店頭に飾っていたら左上の部分へ鳥が糞をしてしまい、そのシミを隠すためにモノクロの人々が描き込まれたという開ウン的w作品なのもヒロミらしいエピソードである。新宿でバーを経営していると云う洒脱なグラフィックデザイナーに即決で購入されたが、酒の香り漂う空間でヒロミの思いも妖しい光を放っているのだろうか。
Monsieur.Blanc
プエルトアーティストたちの制作風景が動画でチェックできます。クリック▷【ゲンキノカタマリ】